NATURAL
News Letter No.134
2019.05.17
家族がアルツハイマー病による軽度認知障害(MCI)かも?どうする?
監修 東京大学大学院医学系研究 脳神経内科学 講師岩田淳
直接的な問いは本人の自尊心を傷つける
アルツハイマー型認知症と老化の違いを理解したうえでやはりおかしいと感じた場合、早めに診察を勧めるのが賢明です。しかし、本人に直接「認知症やMCIでは?」「認知症のテストを受けてみたら?」と伝えることは、本人の自尊心を傷つけてしまう可能性があります。また、もし診察を受けて問題なかった場合、「私は正常なのに疑われた」という疑念が今後の関係に悪影響をきたすことも考えられます。
本人を傷つけず確認するには
アルツハイマー病によるMCIを疑った時は、まず本人に気づかれないように慎重にチェックしてみましょう。会話の中でそれとなくチェックするふとしたときに、「明日の病院の予約って何時って言ってた?」「こないだの事件ってどこで起きたんだっけ?」と聞いてみるなど、日常生活の会話の中で記憶やその他の認知機能の確認を行うことで、本人にアルツハイマー病によるMCIを疑っていると気付かせることなく確認することができます。一度にいくつも質問するのではなく、例えば3日程度の日常会話の中で間隔を空けて聞くようにしましょう。日常の様子もチェックするアルツハイマー病によるMCIは、最近起きた出来事の細かい情報についての記憶があいまいになってしまいます。そのため、会話の中で最近起こったニュースに関する内容があいまいだったり、冠婚葬祭のような最近起こった特別な出来事での印象深い出来事を憶えていないといったことがよく認められます。このようなことが見られた時はアルツハイマー病によるMCIの可能性が高いです。
アルツハイマー病によるMCIの可能性が高い!本人を傷つけず病院に連れていくには
本人が認めない状態で病院に連れていくのはなかなか難しいことです。しかし、放置すればどんどん進行してしまう可能性があります。本人を傷つけずに受診させるにはどのような方法をとるべきなのでしょうか。
病院に行く理由をつける
体調不良があるわけでもないのに「病院に行きましょう」と言っても、本人は不審に思うでしょう。しかし近年、認知症疾患医療センターをいう「認知症対応が可能な医療機関」が充実してきており、そこでは、「将来に向けた予防の相談」なども受けてくれます。
病院に事前に連絡しておく
できるだけスムーズに診察が受けられるよう事前に病院に連絡しておき協力を仰ぎましょう。決して強引には連れて行かないこと強引に連れて行かないこと強い言葉で責めないことはMCIの患者への接し方としてとても大切です。参考サイト:相談e-65.nethttp://sodane.e-65.net/mci/02.html
とら食堂
こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。
ほうれん草とベーコンのキッシュ
材料
冷凍パイシート…2枚
ほうれん草…3束
ベーコン…50g
玉ねぎ…1/2個
バター…10g
グリエールチーズ(ピザ用チーズ)…60g
【アパレイユ】
全卵…1個分 卵黄…2個分 牛乳…50cc
生クリーム…100cc 塩・コショウ・ナツメグ…適量
作り方
①半解凍したパイシートをタルト型より一回り大きく麺棒で伸ばし、タルト型にしく。フォークで穴を空け、クッキングシートをしいてタルトストーンを乗せて200度に温めたオーブンで約15分焼く。
②フラパンにバターを入れて溶かし、玉ねぎが色づくまで炒め、ほうれん草とベーコンを加え、軽く炒めて、塩、コショウをしておく。
③冷めた①に②を入れ、グリエールチーズを散らす。
④アパレイユはボウルに全卵と卵黄を入れて溶きほぐし、牛乳と生クリームを加え、混ぜ合わせる。塩・コショウ・ナツメグで味付けする。
⑤③に④のアパレイユを流し入れ、200度で25分~30分程焼く。
なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム
好酸球性食道炎
あまり聞き慣れないかもしれませんが、好酸球性食道炎という病気があり、欧米ではここ20年で徐々に増えているそうです。飲み込みづらさや、食べ物が食道に詰まってしまうなどの症状が起こります。内視鏡でみると、この病気の場合、食道に縦に走る溝ができていたり、驚いたのは食道が気管のようにみえたりすることがあるようです。診断は内視鏡で食道の粘膜の一部を取って調べたりすることでなされます。取った食道の粘膜を顕微鏡でみると、健康な状態では食道では見られない、好酸球という細胞が集まっています。この好酸球による炎症と食道の機能障害がこの病気の特徴です。好酸球はアレルギーにも関連しており、この病気を持つ方の約半数は、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹などのアレルギー疾患もお持ちです。治療に関しては、欧米では、食事療法(除去食など)、喘息で用いるステロイドの吸入薬をのどに噴霧し飲みこむ、狭窄といって食道が狭くなり広がらなくなってしまった場合は内視鏡で広げるといった方法が報告されています。お子さんでもこの病気がみられ、赤ちゃんでは哺乳障害、学童では嘔吐、腹痛などが主な症状となるようです。またこの病気は長く続く咳、副鼻腔炎、嗄声(声がれ)、繰り返すクループなど食道以外の症状も起こします。これらの症状は耳鼻科でも診察させていただくことが多い症状です。実際、耳鼻科をはじめに受診し診断に結びつくこともあるようです。ライフスタイルが西洋化しているためでしょうか、当初、日本ではまれな病気と考えられていましたが、最近徐々に報告が増えてきているようです。今後、耳鼻科がその診断のお役に立てる疾患の一つになっていくかもしれません。