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野球肘3 (後方部)

2019.01.30

前回、前々回と野球肘の内側部、外側部を投稿させて頂きました。

今回は3つ目の後方部についてお伝えしていきます。

 

肘頭骨端線閉鎖不全

後方部は外側部、内側部と違い、ボールをリリースして肘が伸展(伸びる)する時に肘の後ろで骨同士の衝突が起こり、骨端線が開くような力が働きます。

これにより骨端線の癒合が遅れたり、骨端線部分で骨が分離したりして、骨折のようになることがあります。(小学生に多い)

投球を休止し、痛みが治まったらフォームや体の硬さなどの問題を改善したりします。なかなか治らず骨の癒合が見られない場合には手術療法でボルトなどで骨端線を固定する手術を行うことがあります。

 

肘頭疲労骨折

同じ様にボールをリリースして肘が伸展するときに、肘の後ろで骨同士の衝突が起こり、これを繰り返すことで疲労骨折が起こることがあります。

中学~高校以降で起こりやすいです。(骨端線が癒合しているため)

投球を休止し、痛みが治まったらフォームや体の硬さなどの問題を改善し、再発を予防します。なかなか治らず骨の癒合が見られない場合には手術療法でボルトなどで疲労骨折を固定する手術を行うことがあります。

 

肘頭骨棘骨折

投球を繰り返すことで少しずつ棘(とげ)のような余分な骨ができてくることがあります。これを骨棘(こつきょく)といいます。投球で肘が伸びたときに、肘の後ろで骨同士の衝突が繰り返し繰り返し起こり少しずつ骨棘が形成されていきその骨棘が骨折します。投球を休止し、痛みが治まったらフォームや体の硬さなどの問題を改善したりして、再発を予防します。なかなか治らず、繰り返し骨棘骨折が起こるとその骨棘が関節内に留まり肘運動のロッキング現象を引き起こしてしまいます。場合には関節鏡を用いて骨のかけらや骨棘を切除する手術を行います。

 

後方インピンジメント

投球でボールをリリースして肘が伸展する

ときに、肘の後ろで骨同士の衝突が起こり、骨と骨の間に軟部組織(関節包、筋肉、靭帯など)が挟まって痛みを出します。投球を中止し、痛みが治まったらフォームや体の硬さなどの問題を改善したりして治療します。繰り返し衝突を繰り返すと上記の骨棘が形成されやすくなります。

 

同じ動作でも、年齢の違いによって出てくる症状が違ったり痛める部位が少し違うとまた症状が変わったり、

野球肘は内側部、外側部、後部全てにおいて共通して言えることは投球動作、肘、肩の定期検診を徹底して見直しやっていくことで大幅に野球肘を未然に

防ぐことができるとだと思います。

 

野球肘でお困りの方、お子さんが野球肘なのかもしれない?と思われた方、ぜひ、お問い合わせください。