NATURAL

News Letter No.104

2016.11.01

能力が上がる習慣とは

快適領域を超えて能力を上げる
「快適領域」ってなんでしょうか?これは、すでにできている事や、チャレンジしなくても出来てしまう領域です。ここで紹介するのは、この快適領域を超える習慣です。人は、慣れ親しんだ事の方が安心出来ます。この領域を超えることには、安全が脅かされる可能性もあります。このため、つい、この快適領域の中での活動にとどまりがちになります。その一方、この快適領域を超える事に大きなメリットがあるということが、様々な研究からわかってきています。スタンフォード大学心理学部教授キャロル・ドゥエックが、アメリカのいくつもの場所で、中学生のこどもたちに対してある実験を試みました。それぞれの場所において、子供達は、2つのグループに分けられました。1つのグループにはあることを教えることをせず、もう1つのグループには教えました。結果、最初のグループは、学期が進み授業の内容が難しくなっていくにつれ、成績は落ちて行きました。これは普通の事です。しかし、あることを教えられたグループは、逆にどんどん成績が上がっていったのです。驚く事に、各地で同じようなことが起きました。このグループに教えたことは一体何だったのでしょう?

 
それは…「何か新しいことや難しいことを学習しようと、快適領域を超えるたびに、脳内のニューロンが新しい強い結合をつくる」という脳科学によって証明された事実でした。

 
つまり、快適領域を超え、新しい事や難しいことにチャレンジしようとすると、それに対応するために脳内のニューロンに新しい強い結合が起こって、脳のレベルが上がり、頭が良くなるということです。これこそが正に、ポテンシャル(潜在能力)が上がる瞬間です。
「チャレンジの習慣は脳のポテンシャルを上げる」ということを知ったグループの子供たちは、高いモチベーションを持って難しい問題に取り組むようになりました。取り組み、チャレンジすれば、難しい問題でも解く事が出来るようになると知ったことで、彼らの脳のポテンシャルもどんどん上昇していったのです。そして、これと同時にこのグループの子供たちの心に育った信念、それが、人間はその才能自体を伸ばす事ができるという信念だったのです。さらに教授は、アメリカの学習成績最下位クラスの学校に、このニューロンの話を中心とした授業を展開しました。その最下位クラスの学校の1つは、ブラックアメリカンを中心とするニューヨークのサウスブロンクス地区にありました。その学校の4年生の子供たちは最初はペンもまともに握れない状態だったといいます。この授業を展開した1年後、何とそのクラスがニューヨーク州の学校の中で、算数のテストの平均点が一番になるという快挙を成し遂げたのでした。良いニュースは、快適領域を超えることにより、あなたの頭は今からでも更によくなる、という事実を知ったということです。

 
※参考文献「自分を変える習慣力」三浦将著

 

とら食堂

こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
MENU れんこん入りしゅうまい

 
(たね)
れんこん…約200g
豚ひき肉…200g
玉ねぎのみじんぎり…1/4個分
むきえび…50g
片栗粉…大1/2
しょうゆ、ゴマ油…各小さじ1
塩…少々
シュウマイの皮…30枚

 
作り方
①れんこんは皮をむいてすりおろし、ざるにあけて水気を切る。ぎゅっと固めてひと塊りになる位。
②シュウマイノ皮は3~4mmに切る。
③むきえびはあらみじん切りにする。
④ボウルにすりおろしたれんこんと、残りのたねの材料を入れて粘りが出るまで練り、12等分にして丸め、シュウマイの皮をまぶして手で押さえ形を整える。
⑤フライパンにオーブンシートを敷き、④を並べて水カップを回し入れる。蓋をして中火にかけ沸騰したら弱中にして8~9分蒸す。水分がなくなるまで。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

 
気道における苦味受容体

 
近年、舌の苦みを感じるセンサー、苦味受容体が鼻や気管の細胞にも見つかり研究が行われています。鼻や気管などの空気の通り道、気道にも苦味を感じるセンサーがあるというのはなぜなのでしょうか?気管の細胞に苦味受容体を見つけた研究グループの一つは、舌に苦味受容体があるのは植物の毒を避けるためなのだから、気管にある苦味受容体も、有害なものを吸入しないように気管を収縮させるためにあるのではないかと考えました(1)。しかし実験を行うと結果は予想に反して気管支を拡張させたそうです。喘息の発作時には気管支が収縮しますが、マウスの喘息モデルに発作時と同様の状態を引き起こし、苦味物質を吸入させると、気管支の収縮をやわらげたそうです。天然の苦味物質はたくさんあるそうで、喘息などの新しい治療の開発に結びつくかもしれませんね。鼻や副鼻腔の粘膜にも苦味受容体が見出されています(2)。鼻や副鼻腔の苦味受容体を実験で刺激するとNO(一酸化窒素)を産生し、線毛によるクリアランスを促進したり、直接的な抗菌作用を発揮するそうです。ある細菌(緑膿菌、グラム陰性菌)の分泌する苦味物質にもこの苦味受容体は反応するそうで、気道の生体防御に役立っているのかもしれません。また遺伝的に、この苦味受容体がもともと働いていない人では、難治性の慢性副鼻腔炎(蓄膿症)になりやすく(3)、また手術後の経過もあまりよくないのではないか(4)という報告もありました。苦味受容体は生体防御に役立っていそうですね。それにしても気道が苦味を感じているというのはとても不思議です。先日、家族で歴史博物館の「杉原千畝と命のビザ」という企画展を見てきました。