NATURAL

News Letter No.110

2017.05.01

腰痛はまず「知る」ことから変わりますすべての腰痛には、理由がある。例えば「椎間板ヘルニア」など、病院で具体的な病名を告げられた方なら痛みの原因はわかると思います。でも、多くの方は病院に行ってない、または行ったけれど「特に異常はありません」と言われ、原因がわからなかったのではないでしょうか。腰痛の85%以上は原因不明。腰痛でお悩みの方なら、一度はこの言葉を目にしたことがあるでしょう。かんたんに言うと、腰痛は「見える腰痛」と「見えない腰痛」のふたつに大別できます。「見える腰痛」とは、レントゲンやMRI等の画像診断により、骨の異常などが認められる腰痛。正しい名称は「特異的腰痛」といいます。椎間板ヘルニア、腰椎すべり症など「腰痛」という言葉を使わない症状のことで、病院を訪れた方の2割くらいが症状の大小はあるもののこれに属します。「見えない腰痛」とは、画像診断で判別できない腰痛のこと。正しい名称は「非特異的腰痛」です。病院を訪れる腰痛患者の8割以上がここに分類されます。たいてい、はっきりとした治療法はとくに示されないまま痛み止めや湿布を渡されるだけで診察が終わってしまいます。つまり「腰痛の85%以上は原因不明」とは、この「見えない腰痛」をさしているのです。「原因不明」なら「もうどうしようもないんだ」とあきらめてしまいそうですが、単にレントゲンの画像には異常が見当たらないだけ。でも原因を特定するのは、外来の短い診察時間の中では困難です。

 
腰痛は、肥満、喫煙、姿勢、生活サイクル、さらには遺伝、老化など複数の原因が絡み合ってつくられた症状なので、皆さんが腰痛になった経緯を特定することはどんな名医にも不可能でしょう。しかし、「どうして腰が痛むのか?」と痛みのメカニズムを聞かれたら答えることができます。見えない腰痛は、画像診断では「見えない」がゆえに、医学界でないがしろにされてきたように感じます。でも、多くの研究者や医師の研究や実験により、かつて「原因不明」と言われた「見えない腰痛」は、今や痛みの仕組みやプロセスをほぼ説明できるようになりました。腰痛を生み出すのは「脳」と「骨」そもそもあなたの腰痛を生み出す根本的な原因は、何なのでしょうか。じつはもとをたどるとたった二つに集約されます。一つは、腰の骨(BONE)です。骨にまつわる部位、たとえば関節や椎間板などに異常がでて、さらにそこが刺激されることで出る痛み。そして、もう一つは脳(BRAIN)つまり心からくる痛みです。つまり、腰痛は、骨と脳(BONEとBRAIN)の二つのBからきているのです。じつは腰の痛みは、心理状態によって大きく増幅されてしまうことが多くの研究によって明らかにされています。つまり心からくる痛みは、感覚的な話しではなく、きちんと臨床研究で実証された結果なのです。
参考文献:一生痛まない強い腰をつくる 金岡恒冶著

 
来月号では強い腰をつくるトレーニングをご紹介致します。

 

とら食堂

こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
MENU 新じゃがとそら豆のオープンオムレツ

 
材料(4人分)
新じゃがいも…中2個
オリーブオイル…1/2カップ
そら豆…20個
卵…5個
生ハム…4枚
にんにく…1かけ
パルミジャーノチーズ、塩、コ
ショウ各適宜

 
作り方
①じゃがいもは洗って皮つきのまま1個ずつラップにくるんで、レンジ600wに4分かけ柔らかくし、厚めに切る。そら豆はさやから出し、茹でて薄皮をむく。
②フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れて火にかけ、にんにくの香りがしてきたらにんにくを一旦取り出す。その後①のじゃがいもを入れて揚げ焼きにし、取り出して、やや強めの塩、コショウをしておく。
③卵をボウルに溶いて②のにんにくとじゃがいもを熱いフライパンに戻す。
④フライパンの真ん中、周り、全体と素早くまぜ火を止める。
⑥茹でたそら豆、ちぎった生ハム、すりおろしたパルミジャーノチーズをかける。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

 
味覚について

 
今回は味覚について書いてみたいと思います。味は味蕾といわれる味のセンサーで感じています。味には甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の基本5味がありますが、5味それぞれを感じるセンサーがあることが知られています。味蕾の味細胞は10日-14日というサイクルで常に新しい細胞に生まれ変わっているそうです。味蕾は口腔内にあり、舌では図のように舌の奥にある有郭乳頭、側部にある葉状乳頭に密集しており、舌の先端を中心に点在している茸状乳頭の上部に数個ずつ含まれているとされます。「舌の奥にぶつぶつができています」と受診される方がいらっしゃいますが、この味のセンサーであることが多いです。味蕾は軟口蓋(上あごの奥の柔らかい部分)など舌以外の口腔内にも存在しています。生体にとって甘味はエネルギー源である糖質、塩味は生体活動に不可欠なミネラル、うま味はグルタミン酸に反応しているようですが、蛋白質の存在を示し、酸味は腐敗物の、苦味は毒物の存在を示します。加齢により嗅覚や聴覚は低下していきますが、味覚はあまり低下しないそうです。では味覚はどのようにすると低下してしまうのでしょうか?多くは亜鉛が足りなくなることが原因だそうです(1)。次回はこの亜鉛が足りなくなる背景について書いてみたいと思います。

 
1) 日本医師会雑誌 第142巻 第12号 「味覚・嗅覚診療の最前線」