NATURAL

News Letter No.113

2017.08.01

筋痙攣(きんけいれん)の予防と対処法足のつりは筋肉の炎症ではなく「けいれん」なので冷やすと悪化し痛みが増すことがあるので注意が必要です。日頃から足の冷え対策が予防のポイントになります。特に朝晩が急に冷え込みやすい時期、寒い季節、また夏にクーラーを付けている時も冷やさないように入浴や着衣で工夫をして体を温めましょう。また、ミネラルは汗と一緒に排泄されやすいので、汗をかいた時は必ずミネラルが豊富な硬水やカロリー控えめのスポーツドリンクを飲んで水分とミネラルをこまめに補給して下さい。更に、ウォーキングやスクワットなどの軽い運動を習慣にして筋肉の衰えを防ぎましょう。

 
足のつりの原因が分からない、あるいは特別な病変かもしれないと思う場合は内科か神経内科へ、筋肉に異常を感じる場合は整形外科を受診することも考えましょう。病院では生活の状況をおたずねしてその患者さんにとっての原因を追及し生活習慣を指導してくれます。必要に応じて漢方薬や筋肉の緊張や痙攣を改善する薬、神経や筋肉の興奮を鎮める薬などを処方してくれる場合があります。筋肉疲労、冷え、ミネラル不足、水分不足の原因に心当たりがなくて、こむらがえりを繰り返す場合や足以外の筋肉もよく痙攣する時は糖尿病や肝機能障害、甲状腺機能低下、腎疾患、椎間板ヘルニア、薬の影響の可能性もあります。薬を服用している場合は主治医の診察を受ける際に、よく相談をして下さい。頻繁に足がつる場合は色々な原因が考えられますので医療機関を受診することも大切です。まずは、筋肉疲労、冷え、ミネラルや水分の不足など原因に思い当たる習慣を見直して突然に痛むこむらがえりを予防したいものです。

 
足がつっている時は、筋肉が縮んだまま伸びなくなっている状態ですので、つっている(縮んでいる)筋肉をゆっくりと伸ばすようにしましょう。アキレス腱と足の裏の筋を伸ばす。発作後の痛み、筋肉の硬い感じに対しては軽く温めて軽めにさすったり、軽めのマッサージをするのも有効です。

 
(1)とにかく体の力を抜く
こわばってしまいがちですが、何とか痙攣した足をリラックスさせて下さい

 
(2)楽な角度を見つける
まずは、痛くない角度を探って下さい。強めのマッサージは厳禁です。これは、筋肉や腱にダメージを与え肉離れにつながる恐れもあります。

 
(3)ゆっくりとストレッチ
楽な角度を見つけたらじわじわとストレッチをして下さい。このストレッチが脳への伸長ストッパーの伝達機能を向上させ急な収縮を止めてくれます。

 
(4)足首を回す
筋肉の緊張状態を解きほぐす為に足の力を抜いて足首を回します。上記はあくまでも応急処置ですので日頃からの予防を心がけましょう。
参考文献:心と身体をイキイキさせるwebマガジンこれカラダ・NEVER まとめ

 

とら食堂

こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
豚肉のトマト煮込み

 
材料(4人分)
にんにく…1片
豚ひき肉…200g
人参…1/4本
じゃがいも…小1個
茹で豆…40g
トマト缶…1缶
赤ワイン…40cc
水…100cc
オリーブ油…大1
ケチャップ…大3
塩・コショウ

作り方
①にんにくをみじんぎりにする。鍋にオリーブ油とにんにくを入れて香りが出るまで弱火で炒める。
②①にたまねぎを加えて白っぽくなるまで炒め、豚肉を加えて白っぽくなったら赤ワインを加えアルコールの香りが無くなるまで炒める。
③②に人参、じゃがいもを加えて炒める。
④③に水とトマト缶、茹で豆を加えて、20分程火にかける。
⑤人参が柔らかくなったら、ケチャップ、塩、コショウで味付ける。

★そのまま食べても、パスタにからめても美味しいです。
★茹で豆は、大豆でもひよこまめでも、色々ミックスでも大丈夫です。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

 
医療者の説明はどこまで記憶に残るのか?

 
外来では、できるだけわかりやすい説明を心がけていますが、ご自宅に帰られた時に果たしてどこまで憶えていただいているものなのか、特に情報量が多い場合は少し不安になることもあります。ステロイドといわれるお薬の説明をしたときに、患者さんがそれをどこまで憶えているものなのか調査した論文があります(1)。

 
ステロイドはリウマチ、自己免疫疾患、喘息、耳鼻科でも突発性難聴、顔面神経麻痺など様々な場面で使用されます。特効薬ではありますが、特に長期に使用する場合にはいろいろな副作用が問題になってきます。そこで、その論文ではステロイドの副作用について10項目をベテランの医師が説明し、さらにその上で、その説明の資料を渡した場合と、渡さなかった場合とで、どれだけ思い出せる項目数に違いがあるのかを検討しています。対象は16歳以上の耳鼻科の患者さん50名で、半分の方には説明資料を、もう半分の方には説明だけで何も資料は渡さず、14-21日後に電話をかけて、何項目リスクを挙げられるか確認しました。すると10項目中、「リスクを列挙してください」といってリスクを挙げられた項目数は、配布資料を配られた方々では平均約3.5項目(電話中は資料を見ないで答えています)、説明のみで資料を渡されなかった方々では平均約1.5項目しか上げられなかったそうです。次に一つ一つそのリスクを挙げ、説明を受けた記憶があるかどうかを答えてもらった場合、医師から説明を受けたと記憶があった項目数は、配布を受けた方々は平均で約7.5項目、配布を受けなかった方々は平均で約4.5項目でした。

 
説明だけでは10項目中1-2項目くらいしか記憶に残らないというのはとても勉強になりました。しかし資料があれば大丈夫ですね。より安全な医療を行うために配布資料を作成するなどさらなる工夫をしていきます。

 
1)Glicksman JT et al. Informed consent when prescribing
Medication: A randomized controlled trial.
Laryngoscope 2014;124:1296-1300