NATURAL

News Letter No.119

2018.02.17

走り方は学校では教えてくれない精神論ばかりが目立つ現場の教育指導走ることは、全ての運動・スポーツの基礎となります。ですが、「走り方」は学校では教えられていません。小学校の学習指導要領でも「全力でがんばる」「力一杯走る」といった“精神論”が目立ち、技術的な項目はほとんどないのです。毎年、文科省から「体力テスト」及び「運動能力テスト」の報告がありますが、「子供の基礎体力は落ちるばかり」などの報道が20年来続いています。日本には子供のうちにスポーツの英才教育をする施設、スクールがまだまだ少ない状況です。ですから、走る・蹴る・跳ぶ・投げる、といった動きは日々の“遊び”の中で学ぶ必要があります。吸収力がある時期にカラダの使い方を覚える幼稚園の年長(5,6歳)から小学校低学年(7,8歳)の、いわゆる「プレ・ゴールデンエイジ」のときに、よい運動をしたり、正しい指導を受けたかどうかで、スポーツが得意になるか否かが決まってくると言われています。というの、この年代だからこそ育むべき感覚や能力があるんです。それは、動きの「巧みさ」といわれるもので、脳・神経系の発達が著しいこの期間にはたらきかけると大きく伸びていきます。言い換えれば、脳や神経系の発達は、10歳までにほとんど完了してしまうということです。人生で最も感受性の高い時期に、さざまな動きや身のこなしを覚えていきましょう。
 
プレ・ゴールデンエイジ(5~8歳)
まだ筋力が弱く身体のバランスが不安定ですが、この時期に多種多様な運動経験があるかどうかが、運動が得意になるか大きな影響を与えます。走る・跳ぶ・ボールを投げる・ボールを蹴るといった動きを十分にやっておきましょう。
 
ゴールデンエイジ!(9~12歳)
体のバランスがよく、神経系の発達もなされている状態なので、この時期に多くの運動をするといいでしょう。運動をするとすぐにできるようになることが多いことから、「即座の習得」の能力を持つ時期とも言われています。
 
ポスト・ゴールデンエイジ(13歳~)
動きの調整を司る脳や神経系は、大きく発達しませんが、まだまだ運動能力は伸びる時期です。持久力とスピードをアップさせていくためのトレーニングを取り入れていきましょう。
 
競争意識を持てば走りの能力がアップするレッスンをやっていく上で、足が速くなることを感じれば、走ることが楽しくなってきます。そこから、「競争」を意識させれば、子供達の走る能力はグッと上がっていくでしょう。といっても、これは「あの子より足が速い」と、他の子と比べるわけではありません。ライバルは自分です。「前よりタイムが速くなった!」「運動会で去年より順位が上がった!」と、より明確に運動能力の向上を実感させてあげるのです。「自分と競う」ことで、子供達が本来持っている競争意識や、速く走りたいという意欲が刺激されていきます。そうすれば、練習に積極的に取り組めることでしょう。※参考文献:小・中学生のための走り方バイブル伊東浩司、山口典孝著

 

とら食堂

こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
ローストポーク

 
豚肩ロース肉(ブロック)…400g
じゃがいも …小3個
れんこん…40g
玉ねぎ…中1個
にんにく…2かけ
酒…大1
塩、こしょう、オリーブ油…適量
※ハニーマスタードソース
はちみつ…大2 粒マスタード…大1無塩バター…大1

 
作り方
①豚肉に塩小1/2、コショウ少々、酒大1をすりこみ、常温で30分ほどおく。
②じゃがいもは皮つきのままラップにくるみ、電子レンジ600wで3~4分、竹串がすーっと通るまで加熱する。
③玉ねぎは4等分のくし形切り、れんこんは乱切り、にんにくは皮をむいて半分に切り、中の芯を取り除いておく。
④フライパンにオリーブ油を少々ひいて強火にかけ、①の表面をさっと焼く。焼き色がついたら耐熱容器に取り出す。まわりに、②と玉ねぎ、にんにくを詰め、野菜にオリーブ油、塩を各少量ふる。
⑤140度に余熱したオーブンで④を60分~75分位、肉の中心に竹串をさして、手の甲に当てて温かくなっていたら焼きあがり。途中、40分焼いたときに③のレンコンを入れ、オリーブ油と塩を各少量ふって再び焼く。焼きあがったらローズマリー(分量外)をのせ、アルミホイルで覆う。
⑥ソースは材料を電子レンジに10秒ほどかけ混ぜる。⑦食べやすく切って盛り付ける。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

 
騒音性難聴

 
ある雑誌で、難聴についての総説があったので読んでいたところ、アメリカでは4人に1人が騒音による難聴(騒音性難聴)を発症しているとのことで少し驚きました。20歳から69歳の約3,500人の方を対象に聴力検査を行い、騒音性難聴の有無を調べたアメリカでの研究があります(1)。騒音性難聴をどのように判断するのかといいますと、騒音性難聴は4,000Hzあたりの少し高い音を中心に徐々に難聴が起きてきます。聴力検査を行って、それをグラフにすると谷のような形になるという特徴がありますから、その特徴的な聴力図をもとに判断していきます。さてこの研究では3,000Hz、4,000Hz、6,000Hzという周波数を中心に、そのような谷型の難聴を呈している方がどのくらいの割合でいるのかを調べています。すると全体では4人に1人、年齢別にみると20-29歳の人でも5人に1人に騒音性難聴がみられたということでした。別の研究によると、アメリカでは約1億人の人が騒音性難聴を生じる可能性のある騒音に曝されていると見積もられています。騒音の原因としては車、電車、飛行機などの交通機関、職業によるもの、個人のレベルでは、ステレオ、コンサートやスポーツイベントなどがあげられ、最近では携帯音楽プレーヤーも問題になっているようです(2)。ある研究では、ニューヨークで約4500人を対象に調べると、19歳から39歳で生じた騒音性難聴では職業によるものは20%くらいで、職業以外の騒音を考える必要があり、個人の報告をもとに統計学的にその要因を調べると、MP3 playerやステレオがその要因として重要ということでした(3)。騒音性難聴は、騒音に曝されなければ避けることのできる難聴なので、予防が何よりも重要です。音楽機器の使用方法も少し考えた方がよいのかもしれません。
 
1) Carroll YI et al. Vital Signs: Noise-Induced Hearing LossAmong Adults — United States 2011–2012.MMWR Morb Mortal WklyRep 2017; 26: 85-96.2) Hammer MS et al. Environmental NoisePollution in the United States: Developing an Effective PublicHealth Response. Environ Health Perspect 2014; 122: 115-9.3)Lewis RC et al. Estimation of Permanent Noise-Induced HearingLoss in an Urban Setting. Environ Sci Technol 2013 June 18; 47(12): 6393–6399.