NATURAL

News Letter No.131

2019.02.17

左右差と障害

 
人体は左右非対称にデザインされている
人の身体を正面からみると、心臓は左寄り、肝臓は右寄り等、各器官が身体の正中線に対して左右非対称に配置されています。人体の「構造」は生まれる前から多少の左右非対称をもってデザインされているといえます。

 
左右差が問題となる場合
整体などでは、身体の左右差は「歪み」と捉えて終生の必要があるように言われることがあります。スポーツの世界でも同様の認識がされることがありますが、人の体はもともと完全な左右対称にはデザインされていないことをまず知っておくべきです。何でも完全な左右対称を目指すのではなく、前述のような非対称性があることを前提として認識すべきでしょう。このように若干の左右非対称の構造を持つ人体ですが、利き手・利き足を優先した生活習慣や姿勢の癖、それらの長年の蓄積によって、身体の左右差が「助長」されることがあります。また、左右の筋力差から、筋力の強い側を優先的に使うこともあります。そのような動作の仕方が左右の筋力差を助長し、それが動きの左右差をさらに広げていく可能性が考えられます。では、助長された左右差に「問題がある」のでしょうか?強い部位を存分に活かすことでパフォーマンスが上がるというケースもありますし、利き側を優先した方が動きやすいという場合もあり、これは善し悪しを一概に判断出来るものではありません。ただし、障害のリスクという点で考えると「大き過ぎる左右差」は問題となるようです。身体の左右差について以下の報告があります。・転倒経験のある高齢者、ない高齢者ともに左右の脚筋パワーの左右差を有していたが、その差は転倒経験のある群のほうが大きい(10%以上)・慢性腰痛患者は非腰痛患者より日常動作における左右差の評価スコアが高いこれらの例に見られるように左右差は普通にあることですが、その差が大きくなると腰痛、転倒リスク等のさまざまな障害に関連する場合があるようです。したがって、コンディショニングトレーナーとして「障害を予防する」といった観点からは、左右差を「必要以上に大きくし過ぎないこと」がポイントであると考えます。左右差は前述の通り、生活習慣や姿勢の癖、それらの長年の蓄積によって助長されます。したがって、左右差が大きくなることで不調が生じている場合は、それらを無理のない範囲で修正し、左右どちらもスムーズに動かせる状態を作ることが、障害の予防となり得ると思います。(※ただし、各人の身体の左右差は、「その人の骨格や動きに即した適応として獲得したもの」という意味合いもあります。そのような場合は、それを無理矢理取り去ることで問題が生じる可能性も考えられます。無理なく終生可能な範囲の矯正にとどめておくことが得策といえそうです。次回に続く。。。参考文献「アスリートの為の筋力トレーニングバイブル」著:谷川道哉・荒川裕志

 

とら食堂

こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
じゃがいも、長芋、里芋、百合根のグラタン

 
材料
じゃがいも…2個
長芋…15cm
里芋…小3個
百合根…1個
にんにく…1片
牛乳…適量
塩…適量
ピザ用チーズ…適量

 
作り方
①じゃが芋は皮をむいて薄切り。
②長芋は皮をむいて1.5cm厚の輪切りにして半分に切る半月切り。
③里芋は皮をむいて5mm厚の輪切り。
④百合根は1枚ずつはがして洗い、茶色い部分は包丁でとっておく。
⑤にんにくは、半分に切って、芯を取り除き、包丁の腹でつぶす。
⑥お鍋に①②③④⑤全て入れ、かぶる位の牛乳を加え塩少々を加えて、弱火にかける。材料が竹串がすっと通るようになるまで茹でる。
⑦耐熱容器に⑥の全ての具材と鍋に残った少しの牛乳を入れ、上にチーズをのせ、250度で余熱を入れたオーブンで12分位、焦げ目がつく位まで焼く。材料は、4つ全てでなくてもお好みで2,3種類に変えて作ってもらっても美味しいです。色んな食感が楽しめるグラタンです。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

 
耳管のリハビリテーション

 
滲出性中耳炎といって、中耳(鼓膜の奥に)に水がたまる病気があります。風邪などがきっかけで起きてくる病気です。通常は炎症がおさまっていき、耳管という鼻と中耳をつなぐ管が換気をし、空気を送り込むことなどで徐々に水が吸収され治ります。お子さんではこの耳管がまだ未発達なので、よく見られる病気です。この耳管を鍛える?ためのリハビリテーションがヨーロッパの論文で紹介されていました。耳抜きのリハビリですが、圧力をかけないものから、やや強めに圧力をかけるものまで段階的になっており、無理のない程度で行えます。薬などに加えてでき、ご自身でできる治療なのでご紹介したいと思います。

 
1)無圧の練習飲み込むときに耳管が開き、中耳に空気が入りますまた噛むことや飲み込むことは耳管周囲の筋肉を強めます・無糖、添加物のないガムをかむ(4歳から)~唾液を促し、嚥下する回数を増やす、鼻呼吸を促す・しっかり噛む必要があるものを食べる・口唇(くちびる)、舌、軟口蓋の筋肉を収縮させる練習(図1)・歌を歌う、笛を吹く、あくびをする

 
2)低圧での練習片方の鼻をおさえ、ろうそくの火を消す(やけどに注意してください)卓球のボール、小さな紙をまるめたもの、綿を飛ばす3)中等圧での練習 鼻をかんで、きれいにした後に、片方の鼻をおさえ吹き戻し(ピロピロ)を鼻で吹く(図2)4)高圧での練習 オトヴェントという専門の風船を鼻で膨らませます(図3) (オトヴェントはインターネットなどで購入する必要があります)このリハビリで薬が減らせたり、治るまでの期間が短くなればよいなと思います。