NATURAL

News Letter No.69

2013.12.01

「肉抜きダイエットは、心もスカスカにする」

 
ダイエットの為に肉と油は控えるという人は多いようです。ところが、肉抜き・油抜きダイエットをしていると、うつ病になるリスクが上昇します。むしろ太るのは、ごはんやパン、お菓子等に含まれる精製された糖質。吸収されやすい糖質はインスリンの過剰分泌を招きますが、インスリンは肥満ホルモンとも呼ばれ、脂肪が増えて太る原因となります。しかも糖質の摂り過ぎは、心を不安定にしますから何も良い事はありません。タンパク質は体の基本であり、心を作る神経伝達物質の原料。タンパク質がなければ、心はスカスカ、ボロボロになってしまいます。

 
もちろん極端な油カットもダメ。とりすぎた脂質や体に良くない油は余分な脂肪になったり、心身の機能に影響を与えたりしますが、良質の油は一つ一つの細胞を守る大切な膜(細胞膜)を作るからです。細胞が油の膜に包まれていれば、神経伝達物質のやりとりがスムーズに進む事が分かっています。油をカットすれば頭の回転が悪くなり、物忘れしやすい、記憶力が低下など、ただの年のせいではすまされない症状が起きるでしょう。肉の代わりに豆腐や納豆を食べているから大丈夫と思っていたら大きな間違い。植物性タンパク質はプロテインスコアが低く、必須アミノ酸が網羅されていないからです。とくにタンパク質合成の開始アミノ酸であるメチオニンが少ないのです。ということは、植物性タンパク質だけではタンパク質合成が十分できないのです。だからこそ、タンパク質を食べるときは、植物性だけに偏らずに動物性からも食べるようにしてバランス良くアミノ酸をとることが心と体の元気には必要なのです。タンパク質をしっかり食べていると、お肌がプリプリ、すべすべになります。

 
反対にタンパク質を避けているとかさかさのやつれた肌になってしまいます。タンパク質はみずみずしい肌を作る素ですから、当然、美女になれるといえます。ところで美肌の為に食べたい食品としてコラーゲンが女性達の間であがめられていますが、実はコラーゲンを食べても肌はプリプリにはなりません。コラーゲンはいくつかのアミノ酸がペプタイドの鎖でつながった、長い紐状の形をしています。食べ物からコラーゲンをとっても、すぐには吸収されず体内で消化されて鎖がちぎれ、アミノ酸にまで分解されてやっと吸収されるのです。そこにたどり着くために時間がかかりますから吸収されずに排泄されるコラーゲンもあるわけです。さらに、それから肌細胞として再生するためには、分解されたアミノ酸と鉄とビタミンCが働く事でコラーゲンは合成されるという仕組みで進みます。つまりコラーゲンを食べたところで肌のコラーゲンがそのまま増えるわけではないのです。美肌を目指すなら、タンパク質を食べてビタミンやミネラルもバランスよくとること。体の中から栄養を満たす事が、外側を輝かせてくれるのです。
参考文献:「心療内科に行く前に食事を変えなさい」

 

とら食堂

 
こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
MENU 生ハムのムース

 
材料 (2人分)
生ハム…50g
生クリーム…70cc
黒コショウ…適宜

 
作り方
①生ハムと生クリームをフードプロセッサーで滑らかになるまで撹拌する。
②バゲッドの上に乗せ、黒コショウを振る。
③湯むきして、同量の白バルサミコとオリーブオイルでマリネしたミニトマトとミニモッツアレラチーズを添える 。お好みで、クリームチーズを混ぜてもおいしいです。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

インフルエンザワクチン 2

 
前回はインフルエンザの学童集団接種について書きましたが、今回はその続きです。前回は、日本で行われていた学童集団接種が接種していない周囲の人々、高齢者や幼児がインフルエンザにかかることを抑えていたとする論文をご紹介しました。それでは接種されていた子供たちへの効果はどうだったのでしょうか?

 
東京のある学校での検討があります。グラフのようにワクチン接種率が下がると学級閉鎖率が上がっていることがわかります(下のグラフ)(1)。棒グラフはインフルエンザワクチンの使用量をあらわしています。学童集団接種は、学級閉鎖を減らす効果もあったようです。しかし学級閉鎖を減らすためには6-7割以上の生徒が接種される必要があるそうですが。インフルエンザワクチンは接種後、効果が出てくるまでに2週間ほどかかります。12歳までのお子さんですと2回接種後からです。効果の持続は3か月から5か月くらいとされています。接種するのであれば、12月には接種を終えておくことをお勧めします。

 
(1) Kawai S et al. Clin Infect Dis 2011;53:130-136