NATURAL

News Letter No.86

2015.05.01

Tarzan No.669 チョイスP21

自律神経の調整により、第2の脳である腸をいたわる。
神経質な性格だとストレスに弱いというけれど、なぜ腸がストレスに弱いかというと、腸は神経の固まりでまさに神経質だからなのだ。腸にはおよそ1億個もの神経細胞が集まり、第2の脳と呼ばれている。臓器は交感神経と副交感神経の2重支配を受けており、交感神経と副交感神経の作用はまるきり正反対。腸に関しては交感神経がブレーキ役になって活動を抑え、副交感神経はアクセル役となってその働きを促す。普段は交感神経と副交感神経のバランスが取れているが、ストレスが加わるとそれに対抗するために交感神経が優位になり、腸がアクティブに動けなくなる。ストレス耐性を高め、自律神経の混乱が第2の脳である腸に及ばないようにすべし。

 

Tarzan No.670 チョイスP15

日本は世界有数の長寿国だが、自立した生活が送れる健康寿命と平均寿命には男性で約9年、女性で約12年の差がある。日本は未曽有の超高齢化社会に片足を突っ込んでいる。問題になってくるのが「健康寿命」。これは何の制限もなく日常生活が送れる寿命のこと。歩行、食事、排泄などを自立して行える寿命のことだ。平成22年の男性の平均寿命は79.55歳、女性は86.30歳。これに対して健康寿命は男性70.42歳、女性73.62歳。つまり男性は死ぬまでの約9年、女性は約12年の間、要介護生活に甘んじるという、実に恐ろしい数字。健康によくないライフスタイル見直しませんか。

 

一日一回納豆を食べましょう

納豆には大豆イソフラボンという成分が含まれており、骨粗鬆症、更年期障害、乳がん、前立線がん予防、抗動脈硬化作用に効果があります。また腸内環境を整える納豆菌も含まれていて人間のあらゆる器官、筋肉の修復、再生をするタンパク質(植物性)も豊富に含まれています。食べ方は穀物2に大豆1の2:1の割合が一番栄養効果を発揮させる食べ方です。普段皆様が食べているご飯の上に納豆をかけて食べる食べ方です。そこで私、嶋田のオススメはキムチをプラスすることです。キムチをプラスすることで旨み成分が出てもっと美味しく頂けます。ぜひ皆様一度お試しください。 嶋田 大地

 

とら食堂

こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
MENU ある日の我が家の朝食 鯖の味噌煮缶の簡単どんぶり

 
MENU
胚芽米
鯖の味噌煮缶
温泉卵

☆フルーツスムージー…パイナップル バナナ キウイ

 
体内に蓄えられた糖質は睡眠中にも消費されるため、朝、目覚めたときには脳を動かすエネルギー源はほぼ空っぽ。朝、必ず主食を摂り、糖質を摂取しましょう。主食は、血糖値を急上昇させず、ゆっくりと上昇させるものを選ぶことも大切です。例えば白米や白パンといった精製度の高い食品は、分解されたブドウ糖が一気に血液へと送られる為、血糖値を急上昇させてしまいます。すると今度は血糖値を下げる働きをもつインスリンが大量に分泌され、血糖値は一気に下降。逆にエネルギー切れの状態に。お昼前には集中力が切れ、眠くなったりだるくなったり思考力も低下します。脳をしっかり動かすには出来るだけ血糖値上昇が穏やかで、エネルギーが脳に少しずつ安定供給される低GI食品がおすすめ。玄米、胚芽米、全粒粉パン、麦や雑穀を混ぜたご飯やパンがおすすめ。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

3歳くらいまでは中耳炎になりやすい?

 
中耳炎は小さいお子さんによく見られる代表的な病気の一つです。3歳までに約80%のお子さんが1回は中耳炎になるといわれています。年齢が大きくなるにつれて中耳炎は起こりづらくなります。なぜ小さいお子さんは中耳炎になりやすいのでしょうか?そのことについて免疫学的な観点から調べた研究があります。中耳炎では、主に肺炎球菌、インフルエンザ菌(インフルエンザとは違います)という細菌が炎症を引き起こしています。そこで、この研究ではその中のインフルエンザ菌に着目して、インフルエンザ菌を排除するための抗体の量を年齢ごとに調べています。43人の白人のお子さんを対象にした結果は以下のグラフのようでした(1)。

 
生まれたばかりの赤ちゃんはお母さんからもらった抗体がありますので抗体の量は多いですが、徐々にそれは減っていき、生後6か月でもっとも抗体が少なくなっています。しかし誕生後は自分で抗体を作るようになるので2歳を過ぎるころから再び増加に転じています。この研究では、この抗体が一番少なくなっている時期、つまり生後6か月から2歳くらいまでが一番中耳炎にかかりやすいのではないかというわけです。中耳炎治療のガイドラインでは、中耳炎を繰り返すお子さんでは、この生後から2歳未満までの免疫学的未熟期間は集団保育を制限することが望ましいのではないかとしています。また中耳炎を繰り返すお子さんでは、肺炎球菌やインフルエンザ菌に対する抗体がなかなか増えてこないということもあるようです。いかに免疫力を上げるかということも課題でしょう。

 
1) Yamanaka N et al. Antibody response to outer membrane Protein of nontypeable Haemophilus Influenzae in Otitis-prone children. J Pediatr 1993;122:212-8.