NATURAL

News Letter No.88

2015.07.01

発酵食品は若返りの食べ物

発酵食品は腸内細菌を元気にします。発酵食品は、カビ、酵母、細菌などの微生物が食材に含まれるデンプンや糖、タンパク質などを分解・合成し、栄養価の高い新たな成分を作り上げている食品のことです。たとえば、ぬか漬けには乳酸菌、納豆には納豆菌、味噌には麹菌、ヨーグルトにはビフィズス菌、チーズには乳酸菌などが働き、美味しい食品を作ってくれています。最近は、米麹が大人気です。米麹と塩と水で作る塩麹は、食品の保存性を高め、味を良くしてくれますし、卓上調味料としても使えます。乳酸菌やビフィズス菌などが他の腸内細菌に及ぼす好影響については、ある程度明らかにされていますが、たとえば納豆菌や麹菌が腸内に入るとどのような影響が起こるかについては、解明が待たれている状況です。とはいえ、納豆菌や麹菌などの細菌類を腸の中に入れると、腸内細菌が増え、腸内フローラのバランスもよくなり、結果、免疫機能が高まることは明らかです。日本が世界有数の長寿国であるのは、漬けものや納豆、味噌、醤油などの発酵食品を日常的に食していることと無関係ではないでしょう。米酢やみりん、鰹節、日本酒、焼酎も麹菌を使って作られています。伝統的な和食には、発酵食品の数々が使われているのです。こうした発酵食品を毎日のように食べていると、腸内細菌が増え、免疫力が高まり、結果的に長生きになります。また、世界の長寿地域として有名なカフカス地方にあるグルジアでは、一日三食ヨーグルトを食べます。乳酸菌が作る酸は、ストレスなどで乱れた腸内細菌のバランスを整え、免疫増強につながります。
参考文献:「50歳からは炭水化物をやめなさい」 藤田紘一郎

 

座位から立ち上がりやすくする方法

股関節や膝関節に痛みを抱えている方にとって立ち上がりはつらい動作のひとつです。でも、実はちょっとした工夫で立ち上がりは楽に行えます。

 
まず、足の位置を変えます。足が前方にあると重心の移動距離が長くなるので、足を手前に引きます。このとき、膝関節が90度以上になるように曲げて下さい。次に深く座っていると重心の位置は後ろになってしまうので、お尻を前にずらしましょう。こうするだけで、座位での支持基底面の中心となる臀部と、立位になったときに支持基底面となる足底が近づき、重心の移動距離は短くなります。もう一つは、骨盤を立てることです、骨盤を立てた姿勢から体幹を前屈していくと、前方に重心が移動して足底に体重が移っていくので立ち上がりやすくなります。
佐藤 太亮

 

とら食堂

こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
MENU トマト缶で作る簡単ハッシュドビーフ

 
材料 (4人分)
牛肉…200g
玉ねぎ…中1個
マッシュルーム…1パック
米粉…大1
赤ワイン…100cc
水…300cc
ローリエ…1枚
ケチャップ…大1
トマト缶…1/2缶
中濃ソース…大1
バター…10g
ウスターソース…大1
塩、コショウ…適量
醤油…小1
生クリーム… 大2
砂糖…大1

 
作り方
①プライパンにバターを入れて加熱し、玉ねぎがしんなりするまで炒める。マッシュルームを炒める。
②米粉を入れて炒める。赤ワイン、水、ローリエ、トマト缶を入れて煮汁が2/3位になるまで煮込む。
③ケチャップなど調味料を加えて煮込む。
④生クリームを加えて、最後に塩こしょうで味付け。
⑤ご飯の上に盛り付けて完成。

 
トマト缶で作るので、少し酸味があります。お好みでお砂糖を増やしてもいいでしょう。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

人は愛することで健康になれる

 
今回は1冊本をご紹介したいと思います。高橋 徳先生の「人は愛することで健康になれる」という本です。この本はオキシトシンというホルモンについて書かれています。オキシトシンの主な働きは陣痛や母乳の射出を促すことと従来考えられてきましたが、最近の研究では脳内でのオキシトシンはさらに別の作用を持っているようです。例えばストレスに対する作用です。動物実験では次々に様々なストレスをかけると胃の排泄時間が遅れ、大腸の通過時間が早まります。しかしそこでオキシトシンを投与するとこの反応が和らぐとのことです。また、オキシトシンには不安や恐れを軽減する作用もあり、鼻からオキシトシンを投与すると恐れに対する反応が和らぐようです。これらの作用からオキシトシンを鼻から投与(脳に薬剤を届けるため)することで自閉症、うつ症、外傷後ストレス障害への効果が期待されています。その他にもオキシトシンには鎮痛作用、抗炎症作用、代謝機能、心臓血管機能、傷の治癒の促進などへの関与が考えられています。オキシトシンは様々なよい効果を起こす薬になりそうですが、外から日常的に投与し続けると、その効果の減弱が懸念されるそうです。ですから体外からの投与ではなく、体内でオキシトシンの発現を増強する方法をこの本では示してくれています。いかにしてオキシトシンは高まるのでしょうか?霊長類にはグルーミング(皮膚に触れたり、毛繕いをしたりする行為)によって心拍数を下げたり、ストレスの兆候を減少させるなどの生理的効果があるようです。オキシトシンはそのような肌の触れ合い、また積極的な社会活動、人との積極的な交わりを継続的に行うこと、つまり自分を支えてくれる家族との団らんのときを大切にしたり、仲間との交流のときをもつこと、ボランティア活動を行うことなどによって脳内での発現が増加するそうです。また温かい空気、心地よい音、芳しい香りや歌唱によってもオキシトシンは増加するそうです。私たちの心と身体の健康維持にすぐにでもできそうなことがいろいろと書かれていて大変参考になります。