NATURAL
News Letter No.76
2014.07.01
3分に1回!?
寝たきりの要因でもある大腿骨近位部骨折は、一時間に約20回、3分に1回発生しています。それをゼロにちかづける為には、どのようなことが大切でしょうか?大腿骨近位部骨折の年間の発生数は約18万(2010年度の推計)から増加傾向にありその数は国民病である脳卒中の発症数約24万(2010年度の推計)に匹敵し、看過できない問題となりつつあります。さらに、大腿骨近位部骨折の発生数は、70歳を超えると急激に増加します。この骨折後の予後も悪く5年生存率は約50%です。
骨折のリスクを予測するツールFRAX
骨密度は骨折リスクを測る大事な検査だが、それだけで骨折のリスクを評価出来るわけではない。FRAXは、WHOが作成した骨折リスクの評価ツールで、インターネットで公開されている。FRAXは、骨密度の検査なしで、10年間の骨折確立を計算することができる。寝たきりの原因になる骨折を、早くから見つける、リスクの高い人を見つけ出して、予防する。
高齢者のサルコペニアと転倒
2013年時点で我が国の高齢者人口は約3,000万人(高齢化率24%超)となり高齢化率は益々増加することが予想されている。また、この高齢者人口のうち要介護(要支援)認定を受けている人は約600万人(高齢者人口の約20%)となり、実に高齢者の5人に1人は要介護認定者という時代に突入した。サルコペニアとは加齢に伴う骨格筋量の減少症であり、骨格筋量が減ることで、転倒しやすくなる。また、転倒がサルコペニアを惹起するという逆方向の関係性もある。加齢に伴って、骨格筋の同化作用が減弱し、異化作用が亢進する。そのため、サルコペニア対策としては、運動により骨格筋の同化作用を促進させ、異化作用を抑制させることが大切である。高齢者に対しては、積極的な運動と十分な栄養補給を推奨しながら、サルコペニアや転倒を予防していく必要がある。
竹虎接骨院での試み
日本転倒予防学会の会員として4月に転倒予防教室を中川西地区センターで行いました。当日は約50名の方が参加され、好評を頂きました。第二回転倒予防教室を中川西地区センターで9月に行う予定です。転倒予防の研究をしていく上で下肢の重要性が分かりました。当院が特に注目したのがふくらはぎから足の指までの筋力と動きです。下肢筋力と平衡機能が密接な関係であることは学術でも発表されています。足の指を良く動かす足指体操で足指間筋力を鍛え、ふくらはぎを柔らかく弾力がある状態に保つ為にストレッチや軽めのマッサージを推奨しています。
とら食堂
こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。
MENU ポテトの卵落とし
材料 (2人分)
じゃがいも…中くらいの 大きさ3個
ベーコン…2枚
オリーブオイル…大さじ3バター…10g
にんにく…1/2かけ塩…適量
卵…1個
作り方
①じゃがいもは皮のまま茹で、竹串がすっと通るようになったら、皮をむき、短冊切りにする。
②ベーコンは1CM幅に切る。にんにくはみじん切り。
③フライパンにオリーブオイルとバターとにんにくを熱し、にんにくの香りが出るまで炒める。
④③にベーコンを加え、さっと炒めて、にんにくと一緒に取り出す。同じフライパンで①を色よく焼き、塩で味を調える。
⑤耐熱皿に炒めたにんにく、ベーコン、じゃがいもを入れて、真中に卵を落とす。230℃のオーブンで5分焼く。
なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム
がんになってからの食事と運動
今日は本を1冊ご紹介したいと思います。
「「がん」になってからの食事と運動」という本です。この本は、米国対がん協会の最新のガイドラインを翻訳したものです。がんの患者さんで、すでに適切な医療とケアを受けており、さらに症状を改善し健康を増進するためのセルフケアについて書かれています。もちろん医師のアドバイスのもとにですが、興味深いところは食生活を変えるだけでなく、積極的に運動も勧めているところです。がんの治療中も運動をすることで身体機能、倦怠感、生活の質の様々な面を改善する可能性があるとのことです。食生活に関しては、例えば、十分な量のタンパク質を摂取することは、がんの治療期、回復期、長期生存期、進行がんと共に生きる時期の全てを通じて必須で、タンパクを摂取するための最良の方法は、飽和脂肪酸の含有量が少ない食べ物(魚類、脂肪分の少ない肉、皮を取り除いた鶏肉、卵、無脂肪か低脂肪の乳製品、種実類、豆類)を選ぶことなどが書かれています。乳がんの患者さんの研究では、良い食生活と運動のいずれか一方のみを行っていても不十分で、その両者が必要とのことでした。サプリメントに関しても、必要な栄養素はサプリメントからではなく、食物から摂取することを推奨しています。栄養素が本当に欠乏している人にとっては、サプリメントにより一定の利益が得られる可能性がありますが、栄養素の多量摂取、とくにサプリメントのような食物以外からの摂取はむしろ有害となる可能性も報告されているそうです。サプリメントなどについては考えてみると当然かなとも思われますが、今ある最善の、さまざまな研究報告をもとに書かれているところが興味深いなあと思います。