NATURAL

News Letter No.103

2016.10.01

ダイエットはなぜうまくいかないのか?ここでは、まず一般的に言われているダイエットの問題点について考えてみよう。一般に言われている太り過ぎとか肥満は体重で語られることがほとんどであり、減量とは体重を落とす事を意味している。しかし、アスリートのウエイトコントロールはそうではない。肥満と体脂肪のつきすぎで体重が重くなった現象であり、それを改善するには体重そのものではなく、体脂肪を落とす事が目的となるからである。この違いがしっかりと理解できていれば、一般に言われる減量がなぜ失敗してしまうのか、またリバウンドと言われる現象がなぜ起きてくるのかがよくわかるだろう。

 
太る理由そのものは単純だ。オーバーカロリーである。摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうために、余分なカロリーが体脂肪として蓄積されてしまうのである。だから、肥満を改善するには摂取カロリーを減らす、つまり食事制限をすればいいと考えてしまいがちだ。ほとんどのダイエットはそこしか見ていない。食事制限を続ければ、体重は必ず落ちる。しかし、その場合、体脂肪と同時に筋肉も多く失われていることを見逃してはいけない。つまり、体脂肪率はほとんど変わっていないのだ。体重が落ちて、一見やせたように見えても、筋肉が失われたためにそう見えているだけなのである。これは、健康的な身体とは言えない。なぜなら、筋肉が減ってしまうと基礎代謝が低下して、太りやすい体質になってしまうからである。その結果、ダイエットをやめると、すぐ太りはじめる。それどころか、前より基礎代謝が落ちているので、より太ってしまうことになる。これがリバウンド現象である。安静状態(寝ている状態)でも体はエネルギーを使っている。それが基礎代謝で、使われるエネルギー量は日本人でも1日に1200~1400キロカロリーと言われる。では、筋肉を減らさないためには、どうしたらいいのか。食べる量を減らさない事である。ただし。これでは、減量できない。

 
それでは、あまり筋肉を減らさずに、しかも減量するにはどうしたらいいのか。食べる量を減らしながら運動すればいいのである。私の立場で言わせていただくなら、ダイエットは運動を抜きには考えられない。もともと人間が生きていく上で、「食事」と「運動」はセットである。健康を維持するにはこれが基本だ。運動を忘れて、食事だけで健康になろうとするから、うまくいかないだけである。これらのことは、実験でもすでに試されている。食事制限だけで減量した場合、体重減少の45%が除脂肪組織(筋肉など)で、残りの脂肪組織の減少は55%だった。これに対して、食事制限と運動をした場合、体重減少の30%が除脂肪組織で、残りの脂肪組織の減少が70%だった。ここからもわかるように、食事制限だけ減量をしようとすると、筋肉が大きく減って、基礎代謝が低下して、より太りやすい身体が出来てしまうのである。
 
※「一流アスリートの食事」勝負メシの作り方
管理栄養士 細野恵美著

 

とら食堂

こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
MENU 里芋とホタテ缶の炊き込みご飯

 
材料(4人分)
米…2合
里芋…5個
舞茸…1パック
ホタテ缶…小1缶
ごま油…大さじ1
酒…大さじ2
しょうゆ…大さじ1
塩…小1/2
万能ねぎ…適宜

 
作り方
①お米は洗って、お水に付け30分程おいておく。
②フライパンにごま油をしいて、皮をむいて一口大に切った里芋を入れ、表面に火が通る位に焼く。(炊いているうちに火が入るので、ここでは、火を通さなくても大丈夫です。)
③②にほぐした舞茸を加えて、さっと焼く。
④お鍋に、水気を切ったお米、水380cc、ホタテ缶(汁ごと)、酒、しょうゆ、塩を加えて混ぜる。その上に、里芋と舞茸を乗せて、蓋をし、中火で沸騰するまで火を通す。沸騰したら、弱火にし10分炊く。10分経ったら、混ぜて、フキンをかけて、蓋をし、10分蒸らして出来上がり。器に盛りねぎを添える。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

 
アレルギー性鼻炎の車の運転に対する影響

アレルギー性鼻炎には睡眠や仕事、学習への影響があるといわれていますが(1)、最近の論文で車の運転に対する影響を調べた研究がありましたのでご紹介したいと思います(2)。中等度から高度の花粉症の症状を持つ方を新聞広告で応募し、最終的に21人の方を対象に行った研究です。研究は花粉が飛んでいない時期に行われ、花粉の入った溶液を鼻に噴霧し症状を引き起こしています。それぞれの方に、花粉溶液噴霧なし、花粉溶液噴霧あり、薬投与後(ステロイド点鼻、または抗ヒスタミン剤内服)に花粉溶液噴霧という4パターンすべてを経験してもらい、それぞれのパターンの時にどのくらい車がジグザグに走るかを調べています。

走行車線を95km/hの速度で、1時間、なるべくレーンに沿ってまっすぐ走るよう運転してもらい、側線と車体の距離を持続的に計測、最後の15分にはメモリーテストを行いさらに運転へストレスをかけています。結果は、アレルギー性鼻炎の症状があるときは、症状がないときに比べ、ジグザグに走っている度合いが大きくなったということでした。メモリーテストを負荷したときにはさらにジグザグの度合いが大きくなり、血中アルコール濃度が0.05%あるときと同じくらいだったそうです。これは多くの国で法律的な制限とされている血中アルコール濃度とのことです。アレルギー性鼻炎は鼻だけの問題というわけではないようです。1)

Bousquet J, et al. Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma (ARIA) 2008 update (in collaboration with the World Health Organization, GA(2)LEN and AllerGen). Allergy 2008;63 (suppl 86):8-160.2) Vuurman E. F. P. M. et al. Allergic rhinitis is a risk factor for traffic safety. Allergy 2016;69:906-912