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腱板損傷

2019.02.27

腱板とは肩関節の最も深くにある、肩甲骨と上腕骨につく4つのインナーマッスル(肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋)の事を言います。

この4本の筋肉は同じような走行をしており、上腕骨全体を上から包むような形をしていて、インナーマッスルは肩の運動と安定性に重要な役割を果たしています。

「腱板 イラスト」の画像検索結果

引用元:筋肉名称を覚えよう!

 

これらが損傷する原因として、

①野球やバドミントンなどの繰り返しの動作での損傷

②バレーボールのダイビングレシーブやスノーボードでの転倒などによる損傷

③最も多い加齢による腱の変性による損傷

が挙げられます。

水泳、剣道、バドミントンなどの競技者は一般よりも約10年早期の40~50歳代に進行することが多く、

①の予防では、肩甲帯機能を改善し、腱板に過剰なストレスが集中しないような減速動作を心掛けます。

肩峰下での機械的インピンジメント(衝突)を予防するために、肩甲帯柔軟性の維持と単一の練習を過剰に行わないことが重要です。

損傷は腱板関節面に生じやすく、投球コッキング期~加速期に肩の奥の痛みを自覚します。

腱板滑液包面の損傷が起こりやすい②③では肩90度外転位付近で肩外側に痛みを自覚します。

 

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引用元:公益社団法人 日本整形外科学会

 

治療

損傷した腱板自体は自然治癒することはないが、リハビリテーションやヒアルロン酸やステロイドの注射などの保存療法により

機械的刺激と炎症が改善すると痛みは軽減・消失します。

腱板関節面の損傷は投球動作に伴った適応変化とも解釈されうるので、筋力などの腱板機能が保たれている投球側肩は経過を観察します。

しかし、損傷が大きく筋力が維持できない例や症状の緩和が一時的である場合は年齢も考慮して手術を選択し、

腱板を修復する手術は関節鏡手術で行われます。

手術後のスポーツ復帰には非利き手でも4ヶ月、利き手では6ヶ月間は必要です。

 

参考文献:スポーツ医学検定公式テキスト 一般社団法人日本スポーツ医学検定機構 著

 

 

 

現在、70歳以上の方で約5割の方が腱板が加齢による腱の変性で切れているというデータが出てるみたいです。

ですが、その中でも痛みが出る方、痛みが出ない方がいて、

腱板が断裂して必ずしも痛みが出て、手術をしなければいけないという事はないです。

腱板断裂と診断されて、すぐ手術の前に一度当院に相談して下さい。