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野球肘(外側型)の原因と治療法
2019.06.04
野球をやられている方で小学生~中学生の成長期に多いのが野球肘の外側型(離断性骨軟骨炎)です。
症状がひどくなると手術をする可能性もありますので、お子さんが野球をやられてる親御さんの方々は是非見て頂きたい内容です。
原因
投球動作の際に肘の外側部の軟骨下の骨に負荷がかかり、
その負荷が繰り返しの投球動作により蓄積されていき、蓄積されていくと血流障害を起こします。
血流障害を起こすと軟骨下の骨が壊死を起こし、壊死を起こした骨は骨片(関節遊離体)となり関節の中で浮遊してしまい、
浮遊してしまった骨片が関節の中に入り込んでしまうと、ロッキング現象(関節の骨片による物理的可動域制限)を起こし動かす事ができなくなってしまいます。
ここまできてしまうと手術適応になってしまいます。
治療法
野球肘の外側型は大きく3つの分類に分かれており、
透亮期(初期)、分離期(進行期)、遊離期(終末期)に分類されます。
透亮期、分離期の初期段階であれば安静のみで自然治癒が可能なのですが、
分離期の後期、遊離期になってしまうと安静にしているだけでは自然治癒ができず手術になることが多いです。
予防法
透亮期、分離期の初期は安静のみで自然治癒が可能なのですが、ほとんどの方が無症状で痛みが全くない方が多いです。
症状が出て痛みを伴うようになる頃には分離期の後期か終末期になってることが多く手術をしなければならない状況になります。
では、どのようにしたら透亮期、分離期の初期に早期に発見して手術をしなくて済むのかといいますと、
超音波(エコー)を使っての野球肘検診をして早期に発見することです。
以前まではレントゲンを撮らないとわからなかった事が、超音波で簡単に検査することができるようになったのです。
横浜市では超音波を使い、12月~1月の間に一斉野球肘検診を横浜市18区を5ブロックに分割して活動しています。
各ブロックから医師、理学療法士、野球連盟関係者からなる検診チームを組んでおり、野球をやっている小学校5、6年生を対象に検診をしています。
1人でも手術をせずに未然に防ぐことが可能になりますので必ず受けた方が良い検診です。
あとは、硬式、軟式、どちらともなのですが、一日の全力投球を70球以内、一週間では300球以内までに制限するのが予防に繋がるとされています。
(投球回数はあくまで目安なので、個々それぞれの体の体質、投球フォームがありますので多少前後しても大丈夫かと思われます。)
まとめ
やはり一番悲しく、怖いのが病態が進行しているのにも関わらず、痛みがないので気付かず練習を継続してしまい、
痛み、症状が出て検査をし手術しなければならない状態になっていた、取り返しのつかない状態になっていたというのを避けたいです。
そうならないためにも必ず検診や投球回数、投球フォームなどを親御さんの方々がしっかり見ていき対処するべきことなのかなと思います。
1人でも多くの未来ある野球少年をこの記事を見て救ってあげてください。