NATURAL

News Letter No.126

2018.09.17

スポーツ医学検定

スポーツを愛する全ての人に東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、日本が一つになる時が近づいています。社会に大きなインパクトを与え、そして変革をもたらすスポーツ。しかし、スポーツでは時にケガや故障に悩まされ、失望や挫折といった言葉と遭遇することも少なくありません。良い結果が出ない、競技から離脱する、引退を余儀なくされる。人生という長い目で見れば、競技ができず、外からスポーツを「見る」ことも一つの「学び」かもしれません。しかし、防げるケガは防ぎたいものです。また、ケガをしても適切に復帰したいものです。逆にケガを恐れすぎて、適切なトレーニングや練習ができないのも問題です。スポーツ現場で生じるさまざまなケガや故障、野球の投球で肘が痛い、水泳で腰が痛い、バスケットボールで足首を捻挫した、ラグビーで頭をぶつけた、暑い日の練習で気分が悪い。チームにメディカルの専門家がいれば安心ですが、そのような環境で競技ができる選手やチームはごくわずかです。また、自己管理が重要だと言われますが、身体やケガのことを学ぶ機会は、はたしてあったでしょうか。そこで私達は、専門家が持っているスポーツ医学の知識を、スポーツに関わる皆さんに届けたいと考えました。特にスポーツ指導者や部活の顧問、学生トレーナーやマネージャー、成長期スポーツ選手の保護者、そして何よりスポーツ選手自身に、身体やケガの知識を届けたいと考えています。高い競技力は単に練習の多さではなく、安全なスポーツ環境でよく練られた練習と指導のもと生まれます。そして、安全なスポーツ環境は、指導者や選手自身により作れます。「医学」という言葉に壁を感じる必要はありません。「スポーツ医学」は皆さんにとって、最も「身近な医学」なのです。「スポーツ医学検定」の理念には医学の専門家のみでなく、室伏光治さん(ハンマー投げ)、谷川真理さん(マラソン)、中竹竜二さん(ラグビー)、成田真由美さん(パラリンピック水泳)など、スポーツと長く携わってきた方々にも賛同していただきました。2017年5月に始まるこの取り組みが、東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーの一つとなること、より安全な環境でスポーツを楽しめる社会に変革すること、それが私達の目標です。スポーツに関わる皆様が、「スポーツ医学」の扉を開き、生涯を通じてより長く、より深くスポーツと関わって頂けることを願っています。

 
平成28年12月11日一般社団法人日本スポーツ医学検定機構代表理事日本体育協会公認スポーツドクター整形外科専門医・医学博士 大関信武参考文献 スポーツ医学検定テキストスポーツが広く根付く社会を築くには、トップレベルのアスリートのみでなく、子供から高齢者までが安全で楽しくスポーツに取り組める環境が必要です。スポーツのケガを減らし、安全なスポーツ環境を作るために、スポーツ医学の知識(身体やケガの知識)を、スポーツ現場にいる方々に広めることを目的として作られました。本検定で得られた知識を、①ケガの予防、②ケガからの競技復帰、③競技力の向上、に活かせます。

 

とら食堂

こんなごはん、あんなおやつ、皆さまのおすすめレシピも教えて下さいね。

 
手作りアイスクリーム

 
材料(2人分)
牛乳…160cc
生クリーム…40cc
グラニュー糖…大3
スキムミルク…大2
バニラエッセンス…
あれば少々無くてもOK
ココアパウダー…少々
ミントの葉

 
作り方
①鍋に牛乳、生クリーム、グラニュー糖、スキムミルクを入れて、弱火にかけ、混ぜる。グラニュー糖が溶けたら火から下ろす。
②荒熱がとれたら、バニラエッセンスを数滴加えて、保存容器に移して、冷凍庫に入れる。
③時々かき混ぜてあげると、空気を含んで少し柔らかいアイスになります。混ぜなくても大丈夫です。
④固まったら出来上がりです。器に盛って、ココアパウダーをお好みでかけてお召し上がりください。

 

なかがわ耳鼻咽喉科 院長福元晃先生のコラム

 
耳鳴りについて

 
耳鳴とは自分の周囲、外部に音がないのに、頭や耳の周りで「キーン」、「ジー」などといった音を知覚することです。血液の流れの異常や、筋肉の収縮など音源がはっきりしている場合もありますがまれで、耳鳴の多くはなぜ起こるのか完全には解明されていません。一時的なものだったり、腫瘍など大きな問題がなければ様子をみますが、不眠症、集中力低下を生じたり、耳鳴により怒りっぽく、憂うつになったり、食事や映画に出かけるなどの社会活動が妨げられたりと生活の質に影響を与えることがあります。耳鳴が半年など長く続き、生活にも影響が出ている場合には治療を検討します。現在のところ耳鳴自体を治す絶対的な治療は見つかっていませんが、耳鳴を 和らげる方法はいくつか報告されています。一つは環境音(川のせせらぎ、滝の音などのCD)や、音楽、ラジオなど音を流すことです。また耳鳴を生じている方は難聴を伴っていることも多く、難聴がある場合には補聴器で補うことで聞き取りがよくなり、さらにそれとともに耳鳴も和らぐ場合があります。難聴がないか、あってもほぼ聴力が正常な方には、雑音を流して耳鳴を軽減させる補聴器のような形をした機器もあります。聞いている間はもちろん耳鳴が軽減しますが、1-2年使用すると耳鳴に慣れてきて機器がなくても耳鳴が気にならなくなる場合もあるようです。耳鳴に悩まれている方がいらしたら、聴力の評価、またまれですが腫瘍の有無なども含め、1度耳鼻科を受診してみてください。いくらか対応法があるかもしれません。5年位すると自然によくなる方もいらっしゃるようです。

1) Tunkel DE et al. Clinical practice guideline:tinnitus. Otolaryngol Head Neck Surg.2014;151:suppl: S1-S40.2) Carol A et al. tinnitus.N Engl J Med 2018;378:1224-31.3) 新田清一著、小川 郁監修:耳鳴りの9割は治る, マキノ出版, 東京, 2014.