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脱臼
2019.01.18
前回は骨折の事について投稿させて頂きましたので今回は脱臼の事について投稿させて頂きます。
脱臼の一般的な定義として「関節面の正常な相互の位置感覚が失われた状態」を脱臼と言います。
そしてその程度により完全脱臼と※亜脱臼(不完全脱臼)に分類されていて、肩関節、肩鎖関節、肘関節の順に多いと言われています。
好発年齢は小児や高齢も脱臼をする時はありますが、一番活動力がある青壮年に多いです。
※亜脱臼→関節を構成する互いの関節面の一部が接した状態。
一般的な外傷症状として、炎症による強い痛みや腫れが生じ、痛みによる運動制限(※弾発性固定)がみられます。
※弾発性固定→脱臼してしまった関節を無理に動かそうとすると痛みと抵抗があり、運動をやめるとバネのように元に戻る現象。
脱臼固有の症状としては、弾発性固定、関節部の変形、脱臼肢の長さの変化、脱臼骨頭の位置異常がみられます。
治療としては脱臼した骨を整復し、その後包帯で固定します。
固定の期間は3週間と一般的には言われていますが現代のスポーツ医学では2週間と言われています。
なぜ2週間かと言いますと固定後にリハビリを開始していくのですが、一番困難なのが拘縮でおこる関節の機能不全なのです。
3週間固定するよりも2週間固定の方が拘縮はもちろん起こるのですが、その後の機能改善がスムーズに回復していき早期に日常生活に支障がないレベルまでになれるのです。
肩関節が一番多い理由として、肩関節は関節の中でもっとも運動範囲が広いが、関節の受け皿となる部分が浅く小さくて、
他の関節に比べ骨と骨を繋ぐ強靭な靭帯がない為に非常に不安定な関節なのだからです。
そして関節の受け皿が浅い分、関節唇(かんせつしん)と言われる受け皿の縁のような物があり、その縁で助長しています。
一回脱臼を起こすと関節唇や靭帯などが正常な位置につかない場合があるので反復性脱臼を起こしやすくなります。
場合によっては関節唇、靭帯の再腱術や縫合術などの手術になる可能性があるので、脱臼はとても密な治療が必要な怪我なのです。
いかがですか?
脱臼は整復すれば治るのではなくその後の固定期間、リハビリ、治療がとても重要なのです。
なにか脱臼以外の怪我、体の不調等ございましたら、ぜひ当院までお問い合わせください。