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野球肘(離断性骨軟骨炎)
2019.01.25
野球肘は、野球をしている全ての方々によく起こる肘の障害で大きく3つあります。
1.内側部 2.後方部 3.外側部があります。
今回は成長期の小学生に一番起こりやすく、症状が出てしまうと手術適応になる可能性が高くなる肘の障害をお伝えしたいと思います。
肘の外側部に起こる障害で離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)といいます。
主に小中学生(10歳~15歳)に起こりやすく、最もその中でも起こりやすいのが成長期の小学生(10歳~12歳)に多いと言われています。(100人に1~3人)
成長期の小学生はまだ体が成長段階なので、骨が柔らかく未熟で軟骨が弱いのでとても傷つきやすい状態なのです。
原因は骨同士の衝突で、投球動作の時に橈骨と上腕骨がぶつかり合い、骨と骨が接する軟骨に微小外傷(オーバーユース)を繰り返し、少しずつ蓄積されていきます。
そして蓄積されてくると軟骨に”血流障害”を起こし、軟骨が壊死を起こします。
壊死した軟骨は軟骨下骨とともに離断していき最終的には”関節遊離体(関節ねずみ)”になってしまいます。
※血流障害→この血流障害は微小外傷の蓄積の他に、親御さんの喫煙の副流煙を吸って血流障害を起こしリスクを大いに上げると言われています。
※関節遊離体→壊死して離断した軟骨が関節内に浮遊し、肘の曲げ伸ばしの運動時に関節に入り込みロッキングを起こし肘が動かなくなったり、痛みを伴います。
離断性骨軟骨炎の分類として、
透亮期(初期) 分離機(進行期) 遊離期(終末期)の大きく3つあります。
透亮期と分離期の初期は痛くない場合が多く無症状で自然治癒可能な事が多く、
分離期の後期と終末期は自然には治らず手術も考慮しなければなりません。
透亮期、分離期の初期にできるだけ早く発見できれば安静のみで治る事が多いですが、
上記にも書きましたが無症状なので本人は自覚症状がないことがほとんどです。
では無症状の病態をどうしたら発見し手術をしなくて済むのか、そのためには、
超音波診断(エコー)がとても有効です。
横浜市では12月~1月の休日に、横浜市18区を5ブロックに分割し各ブロックに医師、理学療法士、野球連盟関係者からなる検診チームを結成して、
横浜市一斉野球肘検診を実施しているようです。
小学校5、6年生(希望者)が対象で一回の検診も500円なので、野球をやられてるお子さんは必ず検診をお勧めいたします。
次回は内側部についてお伝えしていきたいと思います。